篠田節子さんのホーラー死都ー
以前角田光代さんの「かなたの子」について投稿した中に、篠田節子さんの小説について書いた部分があったと思うのですが、タイトルがわかりました。「ホーラ ー死都ー」でした。5年ほど前に読みました。前回投稿した「スターバト・マーテル」より前に発売されていたので、先に書かれた作品だと思っていましたが、両書をよく見てみると、文庫発行がその順なだけで、実際書かれた順は「スターバト・マーテル」が先でした。どうりで「ホーラ ー死都ー」のほうが、濃くて、エロスで、気持ち悪くて、いいなと思ったわけです。こちらの作品は、色が鮮やかですよ。特に最後の方の風景描写は素晴らしいですよ。リアリティ。本当に登場人物になった感覚になりますよ。私には、もう一度読むにはまだ早いので、寝かせます。がまんです。
表紙もいいんですよ。表紙にひかれて買ったと言っても過言ではありません。モローの絵です。「オルフェウスの首を運ぶトラキアの娘」という題です。オルセー美術館って書いてありますが、以前オルセー美術館に行ったとき、見た記憶がないです。展示されていなかったのかもしれません。話は逸れますが、モロー美術館には行きましたよ。迫力ありましたが、美術書で見る方が繊細できれいです。作品が大きいので、粗もみえるのです。それが逆に本物の良さなのかもしれません。化粧品のCMの女優と、イベントか何かで実際に見た女優との違いのようなものです。かなり作品に近づけたので、いくつかの絵の裏にヤマトが運んだシールが貼ってあるところまで観察できましたよ。日本に運ばれたのでしょうね。ヤマトには美術部門もあるんですね。すごい。
ヤマトすごいっていうオチになってますが、篠田節子さんの「ホーラ ー死都ー」です。ぜひ読んで見て下さいね。
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