久しぶりに小説を読みました
小川洋子さんの「ことり」という小説です。地震以来、ストックしてある20柵ほどの文庫や新書は紙袋の中にしまったままでした。病気は薬のおかげで落ち着いているのですが、本を読む気にはなれずにいました。‟本は心のご飯です”とうたった本屋さんだか、古本屋さんだかを思い出しながらも、なぜか読む気にはなれなかったんです。
色々あります。私の人生は進むのが遅いのかな。長生きできますように。芸術家は生きているうちに大きく売れないことが多いようですね。しかし作品が生きている限り、作家の魂も生きていると考えれば、私の分身のような作品を残したいですね。
「ことり」読んでみて下さい。小川洋子さんの作品は、言葉にしたくない素晴らしさがあります。初めて読んだのは「薬指の標本」でした。この方の作品に私は汚れ(けがれ)を感じたことがありません。それがどういうことなのか。エロスはあります。でも汚れは感じない。本当にすばらしいです。どのような生き方をするのか。思い通りにいかない事、淡々とした日々、孤独、の中にも、実はわずかながらも希望があるんだと感じさせてくれる作品かもしれません。
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