月と六ペンス
「怖いという感情について
それは生と死を最も身近に感じたときなのではないかと思う
身体を犯されそうになったとき、私は怖いと思った
これはまだわかりやすい
心については、例えば親に怒られているときはどうだろう
怖いと思うはず
それは心を侵されているからだ
自己を守ろうとする
心が死ぬのを守ろうとするのだ
恐ろしいときとは
何かが死に、何かが生まれるときなのかもしれない
その何かを言い表せないのだ
だから絵を描く」
という詩を読み終わってすぐに書いた。
すばらしい本だった。面白かった。この本を読んで、多くの芸術家が自分を肯定できたのではないかと思う。私もその一人だ。普通じゃない。変な人。群れない。周りが黙る。他。私の居場所はどこだろう。まだしっくりきたことがない。この本の主人公のように、私も適した場所にたどり着きたい。まだ断片しか思い出していない。川、とある木、やわらかい畳、レンガ造りの洋館のような建物。
あまり色を感じなかった。風景描写より、人物描写が強いからか。しかし、服の色や肌、髪の毛の色も指定して書かれていた。どういうことだろう。形についても細かく書かれていたはずだが……自然に受け入れていたのかもしれない。様々な人物が出てくるが、どの人についても否定的な感情が浮かびにくい。その人はそういう人なんだと思ってしまう。
多くの人が死にたいと思ったことがあると思うが、そんなとき何を思い浮かべるだろうか。私は母だった。何のために生きているかと聞かれれば、絵を描くためだと迷いなく言う。死について描くには早すぎる。エロスについてまだ理解していない。
次に描く絵の下絵はもうすぐ出来上がる。海の絵だ。早くパネルを作らなくては。
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